炭とワイン ときどき 俳句
7月30日は土用の丑の日。お得意様の鰻屋さんは大忙しです。連日の猛暑酷暑の中、鰻の焼き場はさぞかしと想像するだけで汗が出てきます。でも備長炭で焼き上げた鰻は格別の美味しさ。内はふっくら、外はパリッと香ばしい焼き目が食欲をそそります。白焼きもよし、お店自慢のたれもよし。
土用の丑の日に鰻を食べるようになったのは、江戸時代の蘭学者・平賀源内に由来する説が有力です。天然うなぎの旬は秋から冬、夏場はうなぎが売れないと嘆く鰻屋に「土用の丑の日はうなぎの日」と大書し宣伝すべしと提案、それが大当たりしたという次第です。夏痩せにはうなぎがいいという歌が万葉集にあります。大伴家持「石麻呂に吾れもの申す夏痩せによしといふものぞ鰻とり食せ」源内先生、案外この歌からの発想だったりして。それにしても江戸時代から今日まで「土用の丑の日にはうなぎ」が定着しているのですから、源内先生はマーケティングの第一人者ですね。
土用鰻老舗の列の角曲がる 呼瞳